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合同会社を依頼するときの報酬の見方|公的統計に会社形態別の数値は存在しません

公開 約12分(7,189字) 合同会社commit 編集部 一次情報の確認日:2026年9月1日

合同会社を依頼するときの報酬の見方|公的統計に会社形態別の数値は存在しません

この記事は、こういう方に向けて書いています

  • 合同会社で会社設立をするつもりで、依頼したらいくらくらいになるのかの見当を付けたい方。
  • 検索して出てくる「合同会社の設立代行の相場」という数字が本当なのか、出どころを確かめたい方。
  • この記事は、金額の一覧や試算を載せるものではありません。書いているのは、公的な統計に何があって何がないのかと、合同会社の報酬をどう見ればよいのかという考え方です。特定の事務所やサービスの料金を比べたり、順位を付けたりもしていません。
  • 会社設立でやること全体と、士業ごとの線引きをまとめて確かめたい方は、会社設立を誰に頼むかの全体像からお読みください。

先に押さえること|実費と報酬は、性質の違う二つです

合同会社の費用が実費と報酬に分かれることを表したイラスト
比べる意味があるのは報酬だけ。実費はどこでも同じです。

合同会社の会社設立にかかるお金は、「実費(法定費用)」と「報酬」の二つに分かれます。この区別を先に押さえておかないと、金額を見比べても何を比べているのか分からなくなります。

  • 登録免許税
    合同会社の設立登記は、資本金の額の0.7%。これで計算した額が6万円に満たないときは6万円です(登録免許税法 別表第一 第24号(一))。株式会社は同じく0.7%で最低15万円です。
  • 定款認証の手数料
    合同会社にはかかりません。会社法30条1項が認証を求めているのは26条1項の定款、つまり株式会社の定款だけだからです。合同会社を含む持分会社は、575条が定款の作成を定め、579条により設立の登記によって成立します。
  • 紙の定款の収入印紙
    合同会社でも、紙で定款の原本をつくれば4万円がかかります。印紙税法 別表第一 第6号の定義欄は課税物件を「会社(相互会社を含む。)の設立のときに作成される定款の原本」としており、合同会社の定款も含まれます。非課税の定めは株式会社と相互会社にしか及びません。電子定款であれば不要です。電子の記録は印紙税法2条にいう「文書」に当たらないためで、こちらは会社の形にかかわらず同じです。
  • 報酬
    依頼した専門家に支払う対価です。ここだけが事務所によって違います。専門家ごとに決め方が異なります。合同会社の会社設立を依頼するとき、比べる意味があるのはこの部分だけです。
  • 実費は、どの専門家に依頼しても、自分で手続きしても同じ額です。登録免許税は国に納めるものですし、合同会社に認証手数料がかからないのも依頼先とは関係のない話です。ですから、見積書を見るときは、まず実費と報酬が分かれているかを確かめてください。

    当サイトは費用の内訳表や試算を作っていません

    ここで実費に触れているのは、報酬との性質の違いを示すために必要な最小限の範囲です。合同会社の会社設立にかかる費用を積み上げた表や、いくらで収まるかの試算は扱っていません。金額の詳細は、依頼先からの見積もりと出典の一次情報でご確認ください。

    出典登録免許税法(e-Gov法令検索(デジタル庁)) 別表第一 第24号(一)イが株式会社の設立登記(資本金の額の1000分の7、15万円に満たないときは15万円)、ハが合同会社(同、6万円に満たないときは6万円)。

    行政書士の統計に、会社形態別の項目は存在しません

    行政書士の報酬統計の項目を確かめることを表したイラスト
    項目は「会社設立手続」の一括のみ。形態別はありません。

    日本行政書士会連合会は、会員に対する報酬額の統計調査を公表しています。最新は令和7年度(令和8年1月実施)で、金額には消費税を含み、立替金は含みません。会社設立に関わる項目として掲載されているのは、「会社設立手続」という一つの項目だけです。

    ここがこの記事でいちばん大事なところです

    日本行政書士会連合会の報酬額統計に、株式会社と合同会社を分けた項目は存在しません。「株式会社設立手続」「合同会社設立手続」「定款作成」といった項目はなく、あるのは「会社設立手続」の一括のみです。したがって、会社形態別に分けた行政書士報酬の数値を、公的な統計にもとづいて示すことはできません。

    行政書士の会社設立手続の報酬を最小・最頻値・平均・最大の幅で示した図

    この幅を合同会社の会社設立の目安として読むのは、厳密には正しくありません。この287件の中には株式会社の案件も合同会社の案件も混ざっていて、どちらがどれだけ含まれるのかは公表されていないからです。分かるのは「会社設立手続として、行政書士に支払われた報酬はこの幅に散らばっている」ということまでです。

    それでも、この数字にはひとつ意味があります。平均106,371円に対して最小7,000円・最大550,000円という幅の広さです。会社設立の報酬は、単一の相場に収まるものではないということが、この統計そのものから読み取れます。

    出典報酬額の統計(日本行政書士会連合会) 令和7年度報酬額統計調査(令和8年1月実施)。消費税を含み立替金は含まない。会社設立手続は回答者287/平均106,371円/最小7,000円/最大550,000円/最頻値110,…

    司法書士のアンケートは、株式会社の設例に対する回答です

    司法書士の報酬アンケートの設例を確かめることを表したイラスト
    設例は株式会社。合同会社の数値としては使えません。

    日本司法書士会連合会も、会員に対する報酬のアンケートを公表しています。最新は2024年(令和6年)3月実施のものです。ここで注意が要るのは、この調査が特定の設例に対する回答だという点です。

    設例の前提を必ずセットで読んでください

    設例は「発起人2名、資本金の額500万円の株式会社の発起設立による設立登記手続の代理業務を受任し、定款・議事録・その他証明書等のすべての書類を作成し、定款認証手続及び登記申請の代理をした場合」です。これに対する有効回答は932件、平均は107,887円でした。株式会社の設例ですので、合同会社の数値としては使えません。

    • 会社の形が違う設例は株式会社です。合同会社の設立登記についての設例ではありません。
    • 定款認証が含まれている設例には定款認証手続の代理が含まれています。合同会社には認証そのものがないため、作業の中身が違います。
    • 発起人が2名という前提人数によって書類の数が変わります。ひとりで設立する場合とは前提が違います。
    • 資本金500万円という前提登録免許税の計算に関わる数字です。ただし報酬そのものは実費とは別です。
    • 地区別の数値はありません現行版に地区別の低額者・平均・高額者の表は存在しません。地域別の相場を書くことはできません。

    つまり、司法書士の報酬についても、合同会社に限った公的な数値は公表されていません。分かるのは、株式会社の設例で平均107,887円だったということと、1万円未満から20万円以上までの金額帯に回答が散らばっているということまでです。

    合同会社の場合、定款認証の段がないぶん作業が少なくなります。ですから報酬も株式会社より低めになりやすい、と考えるのは自然です。ただし、それを裏づける公的な数値はありません。当サイトが「合同会社ならいくら」と書くことはできない、というのがここまでの結論です。

    出典司法書士の報酬(日本司法書士会連合会) 2024年(令和6年)3月実施の報酬アンケート。会社設立登記の設例は発起人2名・資本金500万円の株式会社の発起設立で、定款認証手続と登記申請の代理を含む。有効回答932/平均10…

    税理士には、公的な報酬統計そのものがありません

    税理士に公的な報酬統計がないことを表したイラスト
    税理士の報酬は、見積もりを取って確かめるほかありません。

    合同会社の会社設立を、税務の専門家である税理士の事務所に相談するという方も多いと思います。税理士には、司法書士・行政書士のような公的な報酬統計がありません。かつては報酬規程がありましたが廃止されており、いまは事務所ごとに自由に決められています。

    ですから、税理士の報酬について「相場はいくら」と書かれているものを見たときは、その数字がどこから来たのかを確かめてください。公的な統計にもとづくものではありえない、ということだけは言えます。

    • 税理士に依頼できるのは、税理士法2条1項の三つ、すなわち税務代理・税務書類の作成・税務相談です。
    • 会社設立でいえば、法人設立届出書や青色申告の承認申請書といった税務の届出と、資本金や決算期についての相談がここに入ります。
    • 登記は税理士の業務ではありません。合同会社であっても、登記の申請は司法書士(または弁護士)が担当します。
    • 税理士事務所が会社設立の窓口になっている場合、登記の部分は提携する司法書士が担当しているのが通常の形です。
    • 設立サポートと顧問契約は別の契約です。まとめることも、分けることもできます。
    「設立サポート手数料0円」を見たときに確かめる四つ

    誰の報酬が0円なのか、②登記の実費(登録免許税など)と司法書士の報酬は別か含むか、③顧問契約の月額と最低契約期間、解約の条件、④会社設立のときだけでなく総額でいくらになるか。この四つを並べれば判断できます。当サイトでは特定のサービスの料金を比較したり、順位を付けたりはしていません。

    出典税理士に相談する(日本税理士会連合会)

    では、合同会社の報酬はどう見ればよいのか

    合同会社の報酬を見積もりで確かめることを表したイラスト
    条件をそろえて複数から取る。それがいちばん確実です。

    公的な統計に会社形態別の数値がない以上、合同会社の会社設立の報酬を知る方法は、依頼したい専門家から見積もりを取ることしかありません。そのうえで、見比べ方には順序があります。

    • 一|条件をそろえて依頼する「合同会社で設立予定」「社員は何名」「資本金はいくらの予定」「電子定款を希望」。同じ条件を伝えて出してもらえば、比べられます。
    • 二|実費と報酬を分けて見る見積書で行が分かれているかを確かめます。分かれていなければ、内訳を書き出してもらうよう頼んで構いません。
    • 三|含まれる範囲を確かめる定款の作成までか、登記の申請まで含むか、設立後の税務の届出まで入るか。範囲が違えば金額が違うのは当然です。
    • 四|追加になる条件を聞く決めた内容をあとから変える、社員が増える、急ぎの日程で進める。どういう場合に追加になるかを先に共有します。
    • 五|幅として受け止める行政書士の統計が最小7,000円から最大550,000円まで散らばっているように、会社設立の報酬に単一の相場はありません。
    「合同会社で」と最初に伝えてください

    会社設立の見積もりを依頼するとき、会社の形を最初に伝えるだけで前提がそろいます。合同会社なら定款認証の段が入らないぶん、株式会社向けの見積もりとは中身が変わります。まだ形を決めていない段階なら、「両方の場合で出していただけますか」と頼むこともできます。

    なお、当サイトでは個別の見積もりが妥当かどうかを判断していません。「この金額は高い」「これは安い」といった評価もしていません。書いているのは、判断するために自分で確かめられる項目までです。

    出典会社設立を司法書士に依頼する報酬・費用は?株式会社と合同会社の違いを解説(比較ビズ) 料金の目安の補助として使う。法解釈の出典には使わない。

    合同会社で、報酬に差が出やすいところ

    合同会社で作業量が変わる条件を表したイラスト
    範囲の違いなのか単価の違いなのかを見分けます。

    同じ「合同会社の会社設立」でも、条件によって専門家の作業の量が変わります。見積もりに差があったときに、それが範囲の違いなのか、単価の違いなのかを見分ける材料として並べておきます。

    合同会社の会社設立で作業量が変わりやすい条件を並べて比べた図

    右側の条件が当てはまる場合、報酬が高めになるのは自然なことです。作業が増えているのですから、金額だけを見て高い安いと判断しても意味がありません。合同会社は自由度が高いぶん、決めておくことを丁寧に詰める場面では、そのぶん専門家の手が入ります。

    社員が複数の合同会社は、相談の価値が大きくなります

    合同会社は、利益の配分を出資の割合と違う形で定められます。業務執行社員を限定することもできます。自由に決められるということは、決めておかないとあとで揉めやすいということでもあります。ここは報酬を惜しむより、専門家と話しておく意味が大きい場面です。

    出典合同会社の設立手続き(中小企業基盤整備機構 J-Net21)

    見積もりを取るときに確かめること

    見積もりを取るときの確認項目を表したイラスト
    範囲と前提をそろえてから、金額を見ます。

    合同会社の会社設立で見積もりを取るときに、確かめておきたい項目を並べます。金額そのものより先に、範囲と前提をそろえておくほうが、比べやすくなります。

    合同会社の会社設立で見積もりを取るときに確かめる項目を並べたチェックリスト

    資格の登録は、団体の名簿で確かめられます

    司法書士は日本司法書士会連合会の司法書士検索、行政書士は日本行政書士会連合会の会員検索、税理士は税理士情報検索サイトで確かめられます。これは特定の事務所を勧めるものではなく、どの専門家を選ぶときにも共通して使える確認の手段です。

    出典合同会社の設立の登記をしたい方(オンライン申請):法務局(法務局(法務省)) 合同会社設立登記のオンライン申請の手順と添付書面を案内

    「合同会社の相場は◯円」という数字を見たときに

    報酬の数字の出どころを確かめることを表したイラスト
    出どころと年次。この二つを確かめる習慣を持ちます。

    検索すると「合同会社の設立代行の相場は◯万円」といった数字がよく出てきます。ここまで見てきたとおり、会社形態別の公的な統計はありません。ですから、そうした数字を見たときは、次のように読んでみてください。

    • その数字の出どころが書かれているか。書かれていなければ、根拠のない目安ということになります。
    • 「行政書士の統計によれば」と書かれていても、統計に会社形態別の項目はありません。元の統計を確かめてみてください。
    • 「司法書士のアンケートによれば」と書かれていても、それは株式会社の設例に対する回答です。
    • 特定の事務所の料金を並べたものであれば、それは統計ではなく事例です。幅として受け止めるぶんには参考になります。
    • 年次が書かれているかどうか。統計は更新されます。
    表示についての決まりもあります

    「最安」「業界最安値」「絶対」といった表現には、景品表示法上の問題が生じる場合があります。「0円」「無料」と書かれている場合は、同じ画面に条件が並んでいるかを見てください。条件が別の場所にしか書かれていないものは、比べるときに注意が要ります。当サイトでも、こうした表現は使わない方針にしています。

    そして、当サイトは特定の事務所やサービスを名指しで比較したり、順位を付けたりしていません。個別の業者を批判する意図もありません。書いているのは、数字を見たときに自分で確かめられる観点までです。

    出典景品表示法(消費者庁) 「最安」「No.1」などの表示を扱うときの根拠。

    まとめ|書ける数字と、書けない数字があります

    合同会社の報酬の見方のまとめを表したイラスト
    書ける数字と書けない数字を分けて考えます。

    合同会社の会社設立を依頼するときの報酬の見方を見てきました。整理します。

    • 会社形態別の公的統計はない日本行政書士会連合会の報酬額統計に、株式会社と合同会社を分けた項目は存在しません。あるのは「会社設立手続」の一括のみです。
    • 行政書士の統計で分かること令和7年度の「会社設立手続」は、回答287件、平均106,371円、最頻値110,000円、最小7,000円、最大550,000円。消費税を含み、立替金は含みません。会社の形は区別されていません。
    • 司法書士のアンケートで分かること2024年3月実施。発起人2名・資本金500万円の株式会社の発起設立という設例に対し、有効回答932件、平均107,887円。設例には定款認証手続が含まれます。合同会社の数値としては使えません。
    • 税理士には統計がない公的な報酬統計そのものが存在しません。各事務所の公開料金を見比べることになります。
    • 実費は誰に依頼しても同じ合同会社の登録免許税は0.7%で最低6万円。定款認証はそもそも不要です。差が出るのは報酬だけです。
    • 結論は見積もり会社の形と条件を伝えて、複数から取って比べる。範囲と前提をそろえれば、比べられます。

    合同会社の会社設立は、定款認証の段がないぶん依頼の範囲が短くなります。そのため報酬も株式会社より低めに設定されていることが多いのですが、それを公的な数値として示すことはできません。当サイトが書けるのはここまでです。書けないことを書かないというのも、判断の材料のひとつだと考えています。

    この記事の内容は2026年9月1日時点で確認したものです。統計は年次で更新されますので、実際に判断されるときは各セクションに添えた出典で最新の内容をご確認ください。個別の見積もりの妥当性については、当サイトでは判断していません。司法書士や行政書士、税理士といった各分野の専門家に直接ご相談ください。

    出典行政書士会員検索(日本行政書士会連合会) 末尾スラッシュなしが実効URL。

    数字の出どころを確かめる。それがいちばん確実です

    合同会社の会社設立を依頼したときの報酬について、会社形態別の公的な統計は存在しません。日本行政書士会連合会の報酬額統計調査にあるのは「会社設立手続」という一括の項目だけで、株式会社と合同会社を分けた数値はありません。日本司法書士会連合会の報酬アンケートは、発起人2名・資本金500万円の株式会社の発起設立という設例に対する回答です。税理士には、そもそも公的な報酬統計がありません。

    ですから、この記事でお伝えできるのは幅と、出どころと、年次までです。「合同会社ならいくら」という数字を当サイトが出すことはできませんし、出しているものを見かけたら、その根拠を確かめてください。実際の金額は、会社の形と条件を伝えたうえで、複数の依頼先から見積もりを取って比べるのがいちばん確実です。

    そして、比べるときは実費と報酬を分けてください。登録免許税などの実費は、誰に依頼しても自分で手続きしても同じ額です。差が出るのは報酬だけです。この記事の内容は2026年9月1日時点で確認したものです。統計は年次で更新されますので、実際に判断されるときは各セクションに添えた出典で最新の内容をご確認ください。個別の見積もりが妥当かどうかについては、当サイトでは判断していません。

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