本文へ移動する
会社設立は誰に頼む? 依頼先比較の全てのことメディア
合同会社 設立 依頼 誰に頼む

合同会社の設立は誰に頼むのか|定款認証が要らないぶん、依頼する範囲が変わります

公開 約12分(6,970字) 合同会社commit 編集部 一次情報の確認日:2026年9月1日

合同会社の設立は誰に頼むのか|定款認証が要らないぶん、依頼する範囲が変わります

この記事は、こういう方に向けて書いています

  • 合同会社で会社設立をしようと決めていて、手続きを誰に依頼すればよいのかが分からない方。
  • 株式会社向けの解説ばかり見つかってしまい、合同会社だと何がどう違うのかを先に知っておきたい方。
  • この記事は、合同会社と株式会社のどちらが得かを判定するものではありません。書いているのは、合同会社の設立で必要になる手続きと、それぞれを業として担当できる資格、そして認証が要らないことで依頼の範囲がどう変わるかです。特定の事務所やサービスを比べたり、順位を付けたりもしていません。
  • 会社設立でやること全体と、士業ごとの線引きをまとめて確かめたい方は、会社設立を誰に頼むかの全体像からお読みください。

合同会社の設立でやることと、業として担当できる資格

合同会社の設立の仕事が資格ごとに分かれることを表したイラスト
会社の形が変わっても、資格の線引きは動きません。

合同会社の会社設立を誰に依頼するかを考える前に、やることと資格の対応を見ておきます。ここは株式会社でも合同会社でも変わりません。それぞれの資格の業務の範囲が、法律で定められているからです。

合同会社の設立でやることを司法書士・行政書士・税理士・社労士のどの資格が担当できるかを示した表

見てのとおり、ひとつの資格で全部はできません。合同会社の会社設立を「まとめて」引き受けている事務所は、内部に複数の資格者がいるか、外部の専門家と提携しています。この形そのものに問題はありません。

この記事での「できる・できない」の意味

ここで書いているのは、報酬をもらって業として行えるかどうかです。合同会社の設立の手続きをご自身で行うことは、どの資格がなくてもできます。本人申請は合法で、現実的な選択肢のひとつです。

出典司法書士法(e-Gov法令検索(デジタル庁)) 3条1項1号〜5号が業務、同条8項が他法律による制限、73条1項が非司法書士の禁止、78条1項が罰則(1年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金)。

合同会社に定款認証は要りません。条文で確かめます

会社法の条文で認証の要否を確かめることを表したイラスト
30条が認証を求めているのは、26条1項の定款だけです。

株式会社の会社設立と比べて、合同会社でいちばん大きな違いが、定款の認証が要らないという点です。「合同会社は簡単」と言われる理由の多くはここにあります。なぜ要らないのかを、条文の並びで確かめておきます。

合同会社に定款認証が要らないことを示す会社法の条文を並べたカード

整理すると、認証を求める30条1項が向けられているのは26条1項の定款だけです。持分会社については575条が定款の作成を定めているだけで、認証を要するという規定がありません。そして579条により、本店の所在地で設立の登記をすることによって成立します。

定款そのものは必要です

要らないのは認証の手続きであって、定款そのものではありません。合同会社でも定款は作成しますし、設立登記の添付書類として法務局に出します。「認証が要らない」を「定款が要らない」と読み違えないようにしてください。

この違いは、会社設立を依頼するときの範囲にも効いてきます。株式会社の場合、公証役場での認証の手続きを専門家に依頼できますが、合同会社ではその段がそもそもありません。依頼の範囲が、そのぶん短くなります。

出典会社法(e-Gov法令検索(デジタル庁)) 26条1項・30条が株式会社の定款と認証、575条が持分会社の定款(認証の規定はない)、579条が設立の登記による成立。

認証が抜けると、依頼の中身はどう変わるか

認証の段が抜けることで依頼の範囲が変わることを表したイラスト
なくなるのは認証の段。定款をつくる仕事は残ります。

定款認証が要らないことで、合同会社の会社設立の依頼はどう変わるのか。株式会社の会社設立と比べながら具体的に並べます。

  • 公証役場とのやり取りがなくなる
    株式会社では、公証人への事前の確認や認証の日程調整が入ります。合同会社ではこの段が丸ごとありません。
  • 定款認証の手数料がかからない
    株式会社の定款認証手数料は資本金の額等に応じて3万円から5万円(一定の条件を満たす場合は1万5,000円)ですが、合同会社ではこの実費が発生しません。
  • 定款をつくる仕事は残る
    商号、目的、本店の所在地、社員の氏名や住所、出資の内容、業務執行社員の定めなど、決めて書き込む作業は残ります。
  • 電子定款の意味は変わらない
    紙で定款をつくると収入印紙4万円がかかり、電子定款であれば不要です。専門家に依頼すると電子定款になるのが通常です。
  • 登記の段は変わらない
    設立登記の申請は、合同会社でも司法書士(または弁護士)の業務です。ここは株式会社の会社設立と同じです。
  • 実費は誰に依頼しても同じ額です

    会社設立の費用は「実費(法定費用)」と「報酬」に分かれます。登録免許税などの実費は、どの専門家に依頼しても、自分で手続きしても同じ額です。合同会社で認証手数料がかからないのも、依頼先を問わず同じことです。差が出るのは報酬のほうだけです。当サイトでは費用の内訳表や試算は扱っていません。

    なお、電子定款にするために依頼するという考え方もあります。紙の定款には収入印紙が要りますが、電子定款には要りません。ご自身で電子定款を作る場合は、電子署名の環境を用意することになります。ここは、依頼するかどうかを判断するときの材料のひとつです。

    出典9-4 定款認証(日本公証人連合会) 拡張子・末尾スラッシュなしが実効URL。

    登記の申請を依頼できるのは、司法書士と弁護士です

    合同会社の登記を担当する資格を表したイラスト
    登記の代理は、合同会社でも司法書士と弁護士の業務です。

    合同会社は設立の登記によって成立します(会社法579条)。ですから、会社設立の依頼で中心になるのはこの登記です。登記の申請を業として代理できるのは、司法書士(および弁護士)です。

    司法書士法 3条1項

    一 登記又は供託に関する手続について代理すること。

    二 法務局又は地方法務局に提出し、又は提供する書類又は電磁的記録(略)を作成すること。

    五 前各号の事務について相談に応ずること。

    出典:司法書士法(e-Gov法令検索(デジタル庁))

    そして同法73条1項が、司法書士会に入会している司法書士・司法書士法人でない者がこれらの業務を行うことを禁じています。ただし書の「他の法律に別段の定めがある場合」に弁護士法3条が当たるため、弁護士も代理できます。違反した場合の罰則は1年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金です(同法78条1項)。

    「懲役」と書かれた解説に注意してください

    2025年6月1日から、刑法の改正にともなって「懲役」は「拘禁刑」に置き換わりました。いまも「1年以下の懲役」と書かれている記事は、それ以前の条文をそのまま写しているものです。条文を確かめるときは、確認した日付とあわせて見てください。

    行政書士・税理士・社会保険労務士は、合同会社であっても登記の申請の代理も、登記申請書類の作成もできません。これは専門家としての力量の問題ではなく、業務の範囲がそもそも違うということです。税理士事務所や行政書士事務所が合同会社の会社設立の窓口になっている場合、登記の部分は提携する司法書士が担当しているのが通常の形です。

    出典司法書士の業務(日本司法書士会連合会)

    定款の作成は、行政書士・司法書士・弁護士に依頼できます

    合同会社の定款の作成を依頼することを表したイラスト
    定款の作成は、行政書士・司法書士・弁護士の業務です。

    合同会社の会社設立で使う定款は、認証こそ要りませんが、作成して登記の添付書類として出す必要があります。この作成を業として引き受けられるのは、行政書士・司法書士・弁護士です。

    行政書士法1条の3第1項は、行政書士の業務として権利義務または事実証明に関する書類の作成を定めています。定款はここに当たります。ただし同条2項が、「その業務を行うことが他の法律において制限されているものについては、業務を行うことができない」と定めており、登記申請書類の作成はこれに当たるため行政書士は扱えません。定款は作成できて、登記の書類は作成できない。この線は、合同会社でも同じです。

    • 合同会社の定款で決めること商号、目的、本店の所在地、社員の氏名・住所、社員が有限責任社員である旨、出資の目的とその価額、といった事項です。
    • 業務執行社員と代表社員誰が業務を執行するのか、誰が会社を代表するのかを定款で定めることができます。株式会社の取締役とは考え方が違うところです。
    • 利益の配分の定め出資の割合と違う配分を定款で決められる点が、合同会社の特徴のひとつです。ここは検討がいる場面なので、専門家に相談する価値があります。
    • 事業目的の書き方許認可が要る業種であれば、目的の書き方が許可の審査に関わることがあります。行政書士に相談する意味が大きいところです。
    定款と登記で依頼先が分かれることがあります

    合同会社の会社設立では、定款の作成を行政書士に、登記の申請を司法書士に、という組み合わせもあります。司法書士は定款の作成も扱えるので、まとめて依頼することもできます。どちらが正しいということはありません。依頼するときは、どこまでが範囲なのかを言葉にしておいてください。

    出典行政書士の業務(日本行政書士会連合会)

    設立が終わったあとに出てくる依頼先

    設立後の届出と担当する専門家を表したイラスト
    設立後の税務と社会保険は、合同会社でも同じ分担です。

    合同会社が成立したあとにも、会社設立に付随する手続きが続きます。登記が終われば全部が終わり、ではありません。ここで関わる専門家は、株式会社の会社設立の場合とまったく同じです。

  • 法人設立届出書
    設立の日以後2か月以内に、納税地の所轄税務署長へ提出します。定款等の写しを添付します。都道府県と市区町村にも同様の届出が要ります。税理士の業務です。
  • 青色申告の承認申請書
    青色申告をしようとする場合の申請です。期限がありますので、設立の直後に確かめておきます。
  • 給与支払事務所等の開設届出書
    給与を支払う事務所を設けた場合の届出です。社員に報酬を出すなら関係します。
  • 健康保険・厚生年金保険の新規適用届
    法人は代表者ひとりでも強制適用になります。事実の発生から5日以内に年金事務所へ。社会保険労務士の業務です。
  • 労働保険・雇用保険の手続き
    人を雇う場合に必要になります。会社設立の直後とは限りませんが、こちらも社会保険労務士の分野です。
  • 税理士に依頼できるのは税理士法2条1項の三つ、すなわち税務代理・税務書類の作成・税務相談です。登記は入りません。社会保険労務士に依頼できるのは、社会保険労務士法2条1項が定める労働社会保険諸法令に基づく書類の作成・提出代行・事務代理です。税理士が社会保険の届出を代行することはできません。

    合同会社でも、社会保険の扱いは同じです

    「合同会社は小さい会社だから社会保険は関係ない」ということはありません。法人であれば、代表社員ひとりでも健康保険と厚生年金の適用事業所になります。会社設立の依頼を検討する段階で、ここも視野に入れておいてください。

    出典C1-4 内国普通法人等の設立の届出(国税庁)

    合同会社の設立の流れと、段ごとの担当

    合同会社の設立の流れを表したイラスト
    認証の段が抜けるので、株式会社の会社設立より段が短くなります。

    合同会社の会社設立を、段の連なりとして見ておきます。株式会社の会社設立の流れから、定款認証の段が抜けた形になります。

    合同会社の設立の流れと段ごとの担当を示した流れ図

    1と2と4が、依頼する側の宿題です。とくに1の「決める内容」は、他人が代わりに決められません。専門家は選択肢や決め方の材料を示せますが、最後に決めるのは依頼する側です。合同会社では、業務執行社員や代表社員を誰にするか、利益の配分をどうするかといった、合同会社ならではの検討も入ります。

    法務局のオンライン申請の案内もあります

    法務局は「合同会社の設立の登記をしたい方(オンライン申請)」という案内のページを公開しています。ご自身で申請する場合の入口はここです。本人申請は合法ですので、依頼するかどうかは時間と手間の兼ね合いで判断できます。ただし当サイトでは、自分で申請する手順そのものは扱っていません。

    出典合同会社の設立手続き(中小企業基盤整備機構 J-Net21)

    合同会社の依頼先を決めるときに確かめること

    合同会社の依頼先を選ぶときの確認項目を表したイラスト
    範囲と担当を先にそろえると、あとで食い違いません。

    合同会社の会社設立を依頼すると決めたら、契約の前に確かめておきたい項目があります。会社の形が合同会社であることによって、少しだけ聞き方が変わるところがあります。

    • どこからどこまでが範囲か定款の作成までか、登記の申請まで含むか、設立後の税務の届出まで入るか。言葉にしておきます。
    • 登記は誰が担当するか事務所内の司法書士か、提携先か。どちらでも構いませんが、確かめておきます。
    • 電子定款になるか紙の定款には収入印紙4万円が要ります。電子定款なら不要です。
    • 合同会社の設立を扱っているか扱っていない事務所はまずありませんが、合同会社ならではの検討(業務執行社員、利益の配分)に相談として応じてもらえるかを聞いておきます。
    • 実費と報酬が分かれた見積書か登録免許税は合同会社でも発生します。実費は誰に依頼しても同じ額です。
    • 設立後の契約はどうなるか顧問契約が条件になっているか。月額と最低契約期間、解約の条件。
    • 資格の登録を確かめたか各士業の全国団体が会員検索を公開しています。

    資格の確認は、どの依頼先でも同じようにできます

    司法書士は日本司法書士会連合会の司法書士検索、行政書士は日本行政書士会連合会の会員検索、税理士は税理士情報検索サイトで登録を確かめられます。これは特定の事務所を勧めるものではなく、どの専門家を選ぶときにも共通して使える確認の手段です。

    当サイトは事務所の比較をしていません

    ここに並べたのは、依頼先を決めるときに自分で確かめられる項目です。特定の事務所やサービスを比べたり、順位を付けたりはしていません。個別の見積もりが妥当かどうかについても判断していません。複数から見積もりを取って比べてください。

    出典合同会社の設立の登記をしたい方(オンライン申請):法務局(法務局(法務省)) 合同会社設立登記のオンライン申請の手順と添付書面を案内

    まとめ|相手は同じ、範囲が短くなるだけです

    合同会社の依頼先のまとめを表したイラスト
    頼む相手は同じ。頼む範囲が短くなるだけです。

    合同会社の会社設立を誰に依頼するか、ここまでの内容を短くまとめます。

    • 定款認証は要らない会社法30条1項が認証を求めているのは26条1項の定款、つまり株式会社の定款です。持分会社は575条が定款の作成を定めるのみで、579条により設立の登記によって成立します。
    • 定款そのものは必要省けるのは認証の手続きだけです。作成を依頼できるのは行政書士・司法書士・弁護士です。
    • 登記は司法書士か弁護士司法書士法3条1項1号・2号、73条1項。合同会社でも変わりません。行政書士・税理士は扱えません。
    • 設立後は税理士と社会保険労務士税務の届出は税理士、社会保険は社会保険労務士。法人は代表社員ひとりでも社会保険の対象です。
    • 登録免許税は合同会社でも発生資本金の額の0.7%で、6万円に満たないときは6万円です(登録免許税法 別表第一 第24号(一))。実費なので、誰に依頼しても自分で手続きしても同じ額です。
    • 電子定款なら印紙は不要紙の定款には収入印紙4万円がかかります。専門家に依頼すると電子定款になるのが通常です。

    合同会社だからといって、会社設立を依頼する相手が変わるわけではありません。変わるのは依頼の範囲です。認証の段がないぶん短くなり、そのぶん報酬の見え方も変わることがあります。会社設立を依頼するときは、この記事の最後のセクションに並べた項目を手元に、見積もりを取って比べてみてください。

    制度も条文も改正されます。この記事の内容は2026年9月1日時点で確認したものです。実際に判断されるときは、各セクションに添えた出典で最新の内容をご確認ください。個別の依頼の可否や見積もりの妥当性については、当サイトでは判断していません。司法書士や税理士といった各分野の専門家に直接ご相談ください。

    出典登録免許税法(e-Gov法令検索(デジタル庁)) 別表第一 第24号(一)イが株式会社の設立登記(資本金の額の1000分の7、15万円に満たないときは15万円)、ハが合同会社(同、6万円に満たないときは6万円)。

    頼む相手は同じ。頼む範囲が短くなるだけです

    合同会社の会社設立で依頼する相手は、株式会社のときと変わりません。登記は司法書士(または弁護士)、定款の作成は行政書士・司法書士・弁護士、設立後の税務は税理士、社会保険は社会保険労務士。ここは会社の形が変わっても動きません。資格ごとの業務の範囲を、それぞれの法律が定めているからです。

    変わるのは、依頼の中に定款認証の手続きが入らないという一点です。合同会社は、会社法575条により社員になろうとする者が定款を作成し、579条により本店の所在地で設立の登記をすることによって成立します。認証を求める30条は、26条1項の定款、つまり株式会社の定款に向けられた規定です。段がひとつ抜けるぶん、依頼の範囲は短くなります。

    そのうえで、依頼するかご自身で手続きをするかは選べます。本人が申請すること自体は合法で、現実的な選択肢のひとつです。判断の材料は、時間をどれだけかけられるか、許認可が要る業種か、社員の構成や出資の内容が複雑か、設立後に顧問を付けるつもりがあるか、といったところです。この記事の内容は2026年9月1日時点で確認したものです。実際に決められるときは、各セクションの出典で最新の内容を確かめ、依頼先の専門家にご相談ください。

    この記事は、依頼先を考えるのに役に立ちましたか。

    この記事のあとに読むと、つながるもの

    会社設立の依頼先は、ひとつの記事だけでは決めきれません。関係の深いテーマを並べています。

    他にもこのようなサイトで検索されていますので、ぜひ見てください

    掲載順は優劣を示すものではありません。関連しそうな順に並べているだけで、順位づけや推薦ではありません。各サイトの内容・料金・条件は提供者が随時変更します。ご覧になる時点の最新情報は、必ずそれぞれの公式ページでご確認ください。

    同じテーマの記事

    このテーマをすべて見る