本文へ移動する
会社設立は誰に頼む? 依頼先比較の全てのことメディア
会社設立 顧問税理士 選び方 設立後

会社設立の依頼先と設立後の顧問税理士は、分けて選べます|まとめた場合との見え方の違い

公開 約12分(6,645字) 合同会社commit 編集部 一次情報の確認日:2026年9月1日

会社設立の依頼先と設立後の顧問税理士は、分けて選べます|まとめた場合との見え方の違い

この記事は、こういう方に向けて書いています

  • 会社設立の手続きを税理士事務所に依頼しようとしたら顧問契約の話が一緒に出てきて、そういうものなのかどうかが分からなくなっている方。
  • 設立の登記は司法書士に直接お願いするつもりで、設立後の顧問税理士はあとからゆっくり選びたいと考えている方。
  • この記事では、どちらが得かという結論は出しません。書いているのは、設立の依頼と顧問契約が別の契約であることと、分けた場合・まとめた場合それぞれで何がどう見えるか、という整理です。税額を下げる方法の話は扱っていません。
  • 会社設立でやること全体と、士業ごとの線引きをまとめて確かめたい方は、会社設立を誰に頼むかの全体像からお読みください。

設立の依頼と顧問契約は、そもそも別の契約です

会社設立の依頼と顧問契約が別のものであることを表したイラスト
上三行が設立の手続き、下三行が設立後の話です。

会社設立を税理士事務所に相談すると、たいてい設立後の顧問契約の話が一緒に出てきます。そのため「設立を依頼したら、そのまま顧問もお願いすることになる」と思われがちなのですが、この二つは別の契約です。片方だけを依頼することもできます。

そもそも、会社設立でやることは資格ごとに担当が分かれています。設立の場面と設立後の場面とで、誰が関わるのかを先に並べておきます。

会社設立のときと設立後の手続きを、税理士・司法書士・行政書士・社労士のどの資格が担当できるかを示した表

上の三行が会社設立の手続きそのもの、下の三行が設立してからの話です。顧問税理士が関わるのは、主に下の部分になります。登記は司法書士(および弁護士)の分野で、税理士は業として行えません。ここは税理士法2条1項と司法書士法3条1項・73条1項で決まっていることで、事務所ごとの方針の違いではありません。

「まるごと引き受けます」と書いてある場合

税理士事務所が会社設立をまとめて案内していることは珍しくありません。その場合、登記の部分は事務所内の司法書士か、提携している司法書士が担当しています。この形そのものに問題はありません。確かめておくとよいのは「登記はどなたが担当されますか」という一点だけです。

そのうえで、設立後の記帳と決算・申告をどうするかは、会社設立の手続きとは切り離して考えられます。顧問契約は月ごとの継続的な契約で、会社設立の依頼が一度きりで終わるのとは性質が違います。契約の期間も、相手も、別々に決められるということです。

出典税理士法(e-Gov法令検索(デジタル庁)) 2条1項が業務(1号税務代理・2号税務書類の作成・3号税務相談)、3条1項4号が公認会計士の資格、51条が弁護士の通知、52条が業務の制限、59条1項が罰則(2年以下の拘禁刑又は1…

分けて選ぶと、どう見えるか

設立の依頼と顧問を分けて選ぶことを表したイラスト
分けると、それぞれの報酬が見えやすくなります。

まず、分けて選んだ場合から見ます。会社設立の登記は司法書士に直接依頼し、設立後の顧問税理士はあとから探す、という進め方です。順番としては、登記が終わって会社が成立してから顧問を探すことになります。

  • 報酬の中身が見えやすい司法書士には登記の報酬、税理士には顧問料と、それぞれの専門家に何を払っているのかが分かれます。まとめた場合に比べて、比較の材料が取りやすくなります。
  • 顧問の選定に時間をかけられる設立の日程に引っ張られずに、複数の税理士と会って決められます。顧問契約は長く続く契約なので、急いで決めなくてよいのは利点です。
  • 窓口が複数になる登記の進み具合は司法書士、税務の届出は税理士と、連絡先が分かれます。同じ説明を二度することも出てきます。手間としてはここが増えます。
  • 設立前の税務の相談が抜けやすい資本金の額や決算期は、定款をつくる前に決めます。顧問をあとから探す進め方だと、この時点で税務の目が入りません。単発の相談だけ先に受けてもらう形もあります。

分けて選ぶ場合に気をつけたいのは、設立後の届出には期限があるという点です。法人設立届出書は設立の日以後2か月以内に納税地の所轄税務署長へ提出することとされています。青色申告の承認申請書にも期限があります。顧問を探している間に期限が来てしまわないよう、時期だけは見ておいてください。

自分で記帳するという選び方もあります

設立後の記帳を会計ソフトでご自身が行い、決算と申告のときだけ税理士に依頼する、という形も選べます。顧問を付けないと手続きが進まない、ということはありません。どこまでを自分でやるかは、事業に使える時間と取引の数によって変わります。ご自身の状況にどれが合うかは、税理士に事情を伝えて相談してみてください。

出典会社設立手続きは司法書士に依頼できる?法人設立の相談先の選び方(弥生) 実務上の運用と料金の目安の補助として使う。法解釈の出典には使わない。

まとめて依頼すると、どう見えるか

会社設立の依頼と顧問契約をまとめた場合を表したイラスト
窓口がひとつになる代わりに、総額で見る必要があります。

次に、会社設立の手続きと設立後の顧問を同じ事務所にまとめた場合です。税理士事務所が窓口になり、登記は提携する司法書士が担当し、設立後はそのまま顧問契約に移る、という流れになります。

会社設立の依頼と顧問契約を分けた場合とまとめた場合を、進め方と費用の見え方で比べた図

まとめる形のいちばんの利点は、設立前の相談から設立後の申告までが一本の線でつながることです。資本金の額や決算期をどうするかという相談を、あとで実際に申告を担当する専門家が受けることになるので、こちらが二度説明せずに済みます。

一方で、費用の見え方は分かれにくくなります。設立サポートの部分と顧問料の部分がひとまとめに案内されることがあるためです。分けて内訳を出してもらえるかを、契約の前に確かめておくと比べやすくなります。

どちらが正しいということはありません

当サイトは、まとめる形と分ける形のどちらかを勧めるものではありません。会社設立の依頼先を選ぶうえでの見え方の違いを並べているだけです。実際にどちらが合うかは、事業の内容と、設立後に記帳をどうしたいかによって変わります。

出典会社設立で代行できる手続きとは?専門家に依頼するメリット・デメリットと選び方(freee) 実務上の運用と料金の目安の補助として使う。法解釈の出典には使わない。

「設立サポート0円」は、まとめる形のひとつです

設立サポートが無料になる仕組みを表したイラスト
0円になっているのが誰の報酬かを、まず見ます。

会社設立の依頼先を探していると、「設立手数料0円」「設立サポート無料」という案内をよく見かけます。これは多くの場合、設立と顧問をまとめて依頼する形の一種です。仕組みを分けて見ておきます。

  • 誰の報酬が0円なのか無料になっているのは、たいてい税理士事務所の設立サポート料です。登記を担当する司法書士の報酬まで0円になるとは限りません。
  • 実費は0円になりません登録免許税や定款認証の手数料といった実費は、誰に依頼しても、自分で手続きしても同じ額です。株式会社の設立登記の登録免許税は資本金の額の0.7%で、15万円に満たないときは15万円。合同会社は同じく0.7%で、6万円に満たないときは6万円です。
  • 顧問契約が条件になっていることがある設立サポートを無料にする代わりに、設立後の顧問契約を前提とする組み立てです。月額と最低契約期間、解約の条件を確かめてください。
  • 比べるのは総額です設立のときだけで見ると安く見えても、顧問料まで含めた1年分・2年分で見ると印象が変わることがあります。
実費と報酬は必ず分けて見ます

会社設立の費用は「実費(法定費用)」と「報酬」に分かれます。実費は誰に依頼しても自分で手続きしても同じ額なので、事務所によって差が出るのは報酬のほうだけです。見積書でこの二つが分かれているかを見てください。当サイトでは費用の内訳や試算は扱っていません。

なお、無料や0円という表示そのものが問題だということではありません。景品表示法は、実際よりも著しく有利であると誤認させる表示を禁じています。裏を返せば、条件が同じ画面にきちんと書かれていれば、無料の案内は成り立ちます。読む側としては、その条件がどこに書かれているかを探す、という読み方になります。

出典会社設立費用が0円で依頼できる税理士の注意点(税理士コンシェルジュ) 0円モデルの構造を説明する補助として使う。個別事務所の推奨には使わない。

分けるか、まとめるかを決める材料

分けるかまとめるかを決める材料を表したイラスト
設立後の記帳をどうしたいかが、いちばんの分かれ目です。

どちらを選ぶかは、好みの問題というより設立後の記帳と申告をどうしたいかでだいたい決まります。判断の材料になりそうなものを、向き不向きの形で並べます。

会社設立の依頼と顧問を分ける進め方とまとめる進め方が、それぞれ向きやすい場面を並べた図

左側に当てはまる方は、会社設立の登記を司法書士に依頼して、顧問はあとから考えるという順番が合いやすいはずです。右側に当てはまる方は、最初からまとめて相談したほうが、説明の手間が減ります。

迷う場合は、まず複数の専門家に会って話を聞くのがいちばん早いと思います。会社設立の相談を初回無料にしている事務所もありますし、商工会議所やよろず支援拠点といった公的な窓口でも一般的な相談ができます。相談したからといって、その場で依頼を決める必要はありません。

出典会社設立は誰に頼む?司法書士・行政書士・税理士に依頼できること(マネーフォワード) 実務上の運用と料金の目安の補助として使う。法解釈の出典には使わない。

顧問はあとから付けても、あとで変えても構いません

顧問契約をあとから始めたり変えたりできることを表したイラスト
始める時期も相手も、あとから選び直せます。

顧問契約について、会社設立と同時に始めなければならないという決まりはありません。設立してしばらく自分で記帳してみて、手が回らなくなってから探す、という進め方もできます。

  • 設立と同時に始める
    設立前の相談から続けて任せられます。届出の期限を気にしなくてよくなるのが利点です。
  • 設立から数か月後に始める
    取引の様子が見えてきてから探せます。記帳の分量が分かった状態で相談できるので、依頼の範囲を決めやすくなります。
  • 最初の決算の前に始める
    決算と申告のときだけ依頼する形です。ただし、それまでの帳簿を渡して見てもらう手間がかかります。
  • いま依頼している税理士を変える
    契約の期間と解約の条件を確かめてから動きます。決算期との関係で、切り替えやすい時期があります。
  • 自分で記帳することは、普通の選択肢です

    会計ソフトを使って記帳をご自身で続けている法人はたくさんあります。顧問を付けていないから何かが違法になる、ということはありません。判断に迷う場面が出てきたときに相談できる相手がいると楽になる、という話です。どこまでを自分でやるかは、事業に使える時間で決めてください。

    逆に、いったん顧問を付けたあとで変えることもできます。そのときは、契約書に書かれた契約期間と解約の申し入れの期限を先に確かめてください。決算や申告の途中で切り替えると、資料の受け渡しが複雑になります。切り替えの時期は、決算期との関係で相談するのが一般的です。

    会社設立の依頼先を決める段階では、ここまで先のことは決まっていなくて構いません。「顧問は今は決めない」という結論も選べるということだけ、頭の隅に置いておいてください。

    出典税理士に相談する(日本税理士会連合会)

    顧問料の見方。税理士には公的な報酬統計がありません

    顧問料の見方を表したイラスト
    金額より先に、何が含まれるかを見ます。

    顧問料をどう見ればよいかという話です。先にはっきり書いておくと、税理士の報酬には公的な統計がありません。司法書士と行政書士には全国団体が公表している報酬の統計がありますが、税理士にはこれにあたるものが存在しません。ですから、当サイトでは顧問料の相場を金額で示すことはしていません。

    参考になる資料としては、日本税理士会連合会の第7回税理士実態調査報告書があります。令和6年4月に実施され、回答は38,607件、回答率は44.8%という調査で、顧問報酬や決算報酬の分布が公開されています。ただしこれは税理士の実態を調べたものであって、報酬の基準を定めたものではありません。個々の契約の金額は事務所ごとに自由に決められています。

    では何を見るのかというと、金額そのものより先に、その顧問料に何が含まれているかです。同じ月額でも、含まれる業務の範囲が違えば比べようがありません。

    • 記帳をどちらが行うのか。こちらが入力するのか、資料を渡して任せるのか。
    • 月額に決算と申告の報酬が含まれるのか、別料金なのか。
    • 訪問や面談の回数がどう決まっているのか。
    • 年末調整や給与計算が範囲に入るのか。
    • 社会保険の手続きは税理士の業務ではありません。社会保険労務士の分野です。
    実費と報酬は、顧問契約でも分けて見ます

    会社設立のときの登録免許税や定款認証の手数料が実費であるのと同じように、設立後にも申告の際の証明書の取得費用などの実費が出てくることがあります。見積書や契約書で、報酬と実費が分かれているかを見ておいてください。実費は誰に依頼しても同じ額です。

    なお、当サイトでは特定の事務所の料金を並べて比較したり、順位を付けたりはしていません。書けるのは、確かめる項目の並べ方までです。金額が妥当かどうかは、複数の専門家から見積もりを取って、含まれる範囲とあわせて判断してください。

    出典第7回税理士実態調査報告書 – 日本税理士会連合会(日本税理士会連合会) 令和6年4月実施、回答38,607件・回答率44.8%。顧問報酬・決算報酬の分布を各編PDFで公開

    まとめ|二つの契約を、別々に見てください

    設立の依頼と顧問契約のまとめを表したイラスト
    二つの契約を、別々に見るところから始めてください。

    ここまでの内容を短くまとめます。会社設立の依頼先と設立後の顧問税理士は、別々に選べます。

    • 別の契約です会社設立の手続きの依頼は一度きり、顧問契約は継続する契約です。同じ相手にまとめても、分けても構いません。
    • 登記は税理士の業務ではありません設立登記の申請の代理と登記申請書類の作成は司法書士(および弁護士)の分野です。税理士事務所がまとめて案内している場合は、提携する司法書士が担当しています。
    • 分けた場合報酬の中身が見えやすく、顧問を時間をかけて選べます。窓口が増えるのと、設立前の税務の相談が抜けやすいのが弱点です。
    • まとめた場合窓口がひとつで済み、設立前の相談から話がつながります。顧問契約の条件と総額を確かめる必要があります。
    • 0円の案内無料になっているのが誰の報酬か、実費は別か、顧問契約が条件か、総額でいくらか。この四つを並べて見ます。
    • あとから決めてもよい顧問を付ける時期に決まりはありません。自分で記帳を続けるのも、普通の選択肢です。
    • 顧問料に公的な統計はない金額より先に、記帳の担当・決算の報酬・訪問の回数など、含まれる範囲を確かめます。

    依頼する相手が登録された税理士かどうかは、名簿で確かめられます

    日本税理士会連合会が税理士情報検索サイトを公開しています。氏名や事務所の所在地から、登録されている税理士・税理士法人を検索できます。登録の有無だけでなく、懲戒処分の有無まで確認できるのがこのサイトの特徴です。これは特定の事務所を勧めるものではなく、どの専門家を選ぶ場合にも共通して使える確認の手段です。

    制度も条文も改正されます。この記事の内容は2026年9月1日時点で確認したものです。個別の契約の可否や金額の妥当性については当サイトでは判断していません。実際に決められるときは、各セクションに添えた出典で最新の内容を確かめたうえで、税理士や司法書士といった専門家に直接ご相談ください。

    出典税理士情報検索サイト(日本税理士会連合会) 登録内容のほか懲戒処分の有無も確認できる。

    セットで決めなければならない決まりはありません

    会社設立の手続きを誰に依頼するかと、設立後の顧問税理士を誰にするかは、制度のうえでは何のつながりもありません。同じ事務所にまとめて依頼しても構いませんし、登記は司法書士へ、顧問はあとから別の税理士へ、という進め方でも構いません。まとめる形が案内として目に付きやすいだけで、そちらが標準ということではありません。

    決めるときに見るとよいのは、設立後の記帳と申告を自分でやるつもりがあるかどうかです。ここが決まると、顧問をいつから付けるか、設立の依頼とまとめるかどうかが、自然に決まってきます。会計ソフトを使ってご自身で記帳することも、専門家に任せることも、どちらも普通に選ばれている進め方です。

    会社設立の依頼先も顧問税理士も、決めたあとに変えられないものではありません。まずは複数の専門家に会って、対応の範囲と進め方を聞いてみてください。当サイトでは個別の事務所の比較や順位づけはしていません。契約の可否や金額の妥当性は、見積もりを取ったうえで各専門家にご確認ください。

    この記事は、依頼先を考えるのに役に立ちましたか。

    この記事のあとに読むと、つながるもの

    会社設立の依頼先は、ひとつの記事だけでは決めきれません。関係の深いテーマを並べています。

    他にもこのようなサイトで検索されていますので、ぜひ見てください

    掲載順は優劣を示すものではありません。関連しそうな順に並べているだけで、順位づけや推薦ではありません。各サイトの内容・料金・条件は提供者が随時変更します。ご覧になる時点の最新情報は、必ずそれぞれの公式ページでご確認ください。

    同じテーマの記事

    このテーマをすべて見る