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会社設立の税理士費用はいくら?報酬の幅と、実費・顧問料・司法書士報酬の分け方

公開 更新 約11分(6,408字) 会社設立は税理士に頼むべき?できること・費用・司法書士との違いの全てのことメディア 編集部 一次情報の確認日:2026年10月17日

会社設立の税理士費用はいくら?報酬の幅と、実費・顧問料・司法書士報酬の分け方

この記事を読んでほしい方

  • 会社設立を税理士に頼もうか考えていて、税理士費用がいくらになるのか見当がつかない方。検索すると「2万円」「10万円」「0円」とばらばらの数字が出てきて、どれを信じればよいのか迷っている方に向けて書いています。
  • 先に結論めいたことを言うと、会社設立の税理士費用には、司法書士や行政書士のような団体の公表する報酬統計がありません。だからこそ、数字そのものより「その数字に何が入っているのか」を見分ける力が役に立ちます。
  • ここでは特定の事務所の料金を並べて順位を付けることはしません。扱うのは、実費と報酬の分け方、設立時と設立後の費用の分け方、登記を担う専門家の報酬の見方の三つです。
  • 会社設立で税理士に頼めること・頼めないことの全体を先に確かめたい方は、会社設立と税理士の全体像(トップ)からお読みください。

会社設立の税理士費用は、まず「誰の報酬か」で分ける

会社設立の費用が資格ごとの報酬に分かれることを表したイラスト
税理士費用に入るのは、税務の部分の報酬だけです。

会社設立の費用を調べると、「税理士に頼むと総額いくら」という書き方によく出会います。けれども、その総額の中には税理士の報酬ではないお金がかなり混じっています。会社設立に関わる仕事は資格ごとに担当する専門家が決まっていて、報酬の払い先もそれに合わせて分かれるからです。

最初に、会社設立の場面でそれぞれの専門家が業として何をできるのかを表にしておきます。どの専門家に何を依頼するかが決まれば、費用の話はこの表を土台に組み立てられます。

会社設立の仕事ごとに、税理士・司法書士・行政書士・社労士のどれが報酬を受けて担当できるかを示した表

税理士の列で印が付くのは、税務の届出と設立後の記帳・申告だけです。税理士の業務は税理士法2条1項が税務代理・税務書類の作成・税務相談の三つと定めていて(税理士法)、登記はこの中に入りません。

ですから、税理士事務所に会社設立を依頼して「登記まで込みで◯円」と言われた場合、その中には提携する司法書士の報酬が含まれているはずです。税理士が登記申請書類を作ることはできないので(司法書士法73条1項)、登記の部分は司法書士が担当し、その報酬が見積もりに乗ってきます。

この記事での「費用」と「報酬」

以下では、専門家に払うお金を報酬、誰に頼んでも同じ額になる法定のお金を実費と呼び分けます。「税理士費用」と書くときは、税理士に払う報酬のことです。

出典税理士法(e-Gov法令検索(デジタル庁)) 2条1項が業務(1号税務代理・2号税務書類の作成・3号税務相談)、3条1項4号が公認会計士の資格、51条が弁護士の通知、52条が業務の制限、59条1項が罰則(2年以下の拘禁刑又は1…

実費は税理士に頼んでも自分でやっても同じ。動くのは報酬だけ

会社設立の実費は誰に頼んでも同じであることを表したイラスト
実費は動きません。税理士費用として比べるのは報酬です。

会社設立にかかるお金は、実費(法定費用)と報酬の二つに分かれます。そして実費は、税理士に依頼しても、司法書士に依頼しても、自分で手続きしても同じ額です。ここを混ぜたまま金額を比べると、税理士費用が高く見えたり安く見えたりします。

会社設立のお金が実費と報酬に分かれることを示した図

実費の数字は、報酬との違いを示すのに必要な分だけ載せています。登録免許税は国税庁の税額表で確認できます(登録免許税の税額表)。定款の収入印紙は紙で作った原本にかかるもので、電子定款なら不要です。専門家に頼むと電子定款で作るのが普通なので、これは報酬の側の利点として数えてよいところです。

一つ気をつけたいのは、「税理士に頼むと自分でやるより安くなる」という言い方です。これは多くの場合、電子定款で印紙代がかからないことを指しています。実費そのものが値引きされるわけではありません。自分で電子定款を作れば同じように印紙代はかかりませんし、合同会社なら定款認証の手数料もそもそも発生しません。

「総額いくら」と聞かれたら

見積もりを頼むときは、報酬と実費を分けて書いてくださいと一言添えるだけで、税理士の報酬がいくらなのかが見えるようになります。会社設立をどこに依頼する場合でも使える言い方です。

出典No.7191 登録免許税の税額表(国税庁)

株式会社の税理士費用に「公的な相場」はない。解説ページの幅もばらばら

税理士の報酬に公的な相場がないことを表したイラスト
税理士費用の数字は、出どころと前提を見て読みます。

司法書士と行政書士には、全国団体が公表している報酬の統計があります。ところが税理士には、これにあたる公的な報酬統計がありません。報酬は各事務所がそれぞれ決めていて、全国の平均や幅を示す公的な数字は見当たりません。

それでも検索すると「会社設立の税理士報酬の相場」はたくさん出てきます。2026年10月17日時点で、検索上位の解説ページに書かれている数字を並べると次のようになります。

会社設立の税理士費用について、解説ページに書かれている数字(2026年10月17日確認)
解説ページ 設立時の税理士報酬 設立後の顧問料(月額) 数字の根拠
解説ページA 0万円〜5万円 記載なし 記載なし
解説ページB 2万円〜5万円前後 1万5,000円〜5万円前後(中小企業) 記載なし
解説ページC 3万円〜10万円 1万円〜5万円 記載なし
解説ページD 5万円〜15万円(設立手続き代行手数料) 1万円〜5万円 記載なし
解説ページE 1万2,000円〜28万7,000円 記載なし 運営会社のサービスでの成約価格(2024年1〜12月)

各ページの記載をそのまま写したもので、当サイトが相場として示すものではありません。並び順に意味はなく、ページの名前は伏せて出典リンクだけを下に置いています。消費税の扱いや、設立時の報酬に何が含まれるかはページごとに異なります。

出典は、解説ページA、解説ページB、解説ページC、解説ページD、解説ページEです。どのページがよいかを比べるための表ではないので、名前は出していません。

並べてみると、下限は0円から5万円まで、上限は5万円から30万円近くまで散らばっています。算出の方法を書いているのは一つだけで、それも特定の仲介サービスでの成約価格という限られた範囲の数字です。どれが正しいかではなく、前提がそろっていないと読むのが妥当だと思います。依頼の範囲も、専門家の関わり方も、ページごとに違う前提で書かれているからです。

「株式会社なら◯円」と言い切る数字に注意

株式会社か合同会社かで、税理士の報酬が決まった額だけ違うという公的な数字はありません。株式会社の設立で税理士費用を調べる場合も、依頼する範囲をそろえたうえで見積もりを取るほかに確かめる方法はない、というのが現状です。

出典会社設立の税理士費用はいくら?相場や依頼するタイミング(ミツモア) 実務上の運用と料金の目安の補助として使う。法解釈の出典には使わない。 12,000円〜287,000円。同社サービスの成約価格(2024年1月1日〜12月31日)から算出と注記。最…

法人設立の税理士報酬は「設立時」と「設立後」で別の契約になる

設立時の報酬と設立後の顧問料が別であることを表したイラスト
長く払い続けるのは、設立後の顧問料と決算料です。

会社設立の税理士費用を考えるとき、つい設立のときに払う金額ばかりを見てしまいます。けれども税理士との付き合いで長く続くのは、設立後の顧問契約のほうです。法人設立で税理士に払う報酬は、だいたい次の三つの層に分かれます。

  • 設立時の報酬設立の設計についての相談、法人設立届出書・青色申告の承認申請書・給与支払事務所等の開設届出書などの作成と提出。一度きりのお金です。
  • 顧問料設立後の記帳の確認、月々の税務相談、源泉所得税の手続きなど。月額で決まるのが一般的で、売上の規模、取引の量、記帳を誰がするか、面談の頻度で変わります。
  • 決算料事業年度の終わりに行う決算と法人税などの申告の報酬。顧問料とは別に年1回設定されていることが多い項目です。
会社設立時の税理士報酬と設立後の顧問料・決算料を比べた図

設立後の顧問料については、前の表で見た解説ページのうち三つが月1万円〜5万円前後という似た幅を書いています。ただし、どれも算出の根拠は示していません。目安として頭の片隅に置くのはよいとして、自分の会社の金額は見積もりで確かめるしかありません。決算料も「10万円から」「数十万円から」とページによって書き方が違い、幅はさらに広くなります。

株式会社か合同会社かで、顧問料が変わるのか

会社の形が違っても、法人税の申告をする点は同じです。顧問料が会社の形だけで決まるという公的な根拠はなく、金額を左右するのは取引の量や記帳の手間のほうだと考えておくのが無難です。気になる場合は、見積もりの段階で「合同会社でも同じですか」と聞いてみてください。

出典会社設立の相談は税理士にすべき?費用相場やメリット・デメリットなどを解説(マネーフォワード) 実務上の運用と料金の目安の補助として使う。法解釈の出典には使わない。 スポット相談1時間5,000〜20,000円、設立手続き代行手数料5万〜15万円、顧問料月1万〜5万円。根拠の…

登記の部分は司法書士の報酬。日司連の設例で幅を見る

登記を担当する司法書士の報酬を表したイラスト
登記の報酬は司法書士に払うお金です。税理士費用とは分けて見ます。

会社設立を税理士事務所に任せても、登記を担当するのは司法書士です。つまり「税理士に会社設立を頼んだときの費用」の中には、司法書士の報酬が別に乗っていることが多いわけです。こちらは税理士と違って、全国団体が公表している数字があります。

日本司法書士会連合会の報酬に関するアンケート(2024年3月実施)では、「発起人2名、資本金の額500万円の株式会社の発起設立で、定款・議事録その他の書類をすべて作成し、定款認証手続と登記申請の代理をした場合」という設例に対して、有効回答932件、平均107,887円という結果が出ています(司法書士の報酬)。

司法書士と行政書士の会社設立に関する報酬の幅を示した図

この数字は、定款認証の手続きまで含めた株式会社の設例に対するものです。合同会社の設立や、登記の申請だけを頼む場合にそのまま当てはめることはできません。また、現行のアンケートには地区別の相場を示す表もありません。

税理士事務所の見積もりで見るところ

「会社設立一式」とまとめて書かれている場合は、司法書士の報酬がいくらで、税理士の報酬がいくらかを分けてもらってください。分けてもらえれば、上の設例の数字とも照らし合わせられます。

出典司法書士の報酬(日本司法書士会連合会) 2024年(令和6年)3月実施の報酬アンケート。会社設立登記の設例は発起人2名・資本金500万円の株式会社の発起設立で、定款認証手続と登記申請の代理を含む。有効回答932/平均10…

設立手数料0円でも、税理士費用がゼロになるわけではない

設立手数料0円の中身を確かめることを表したイラスト
0円は入口の一部です。続く費用まで含めて見ます。

税理士事務所の案内で「会社設立の手数料0円」という表示を見かけることがあります。これは多くの場合、顧問契約を結ぶことを条件に、設立サポートの報酬を無料にするという組み立てです。登記は提携する司法書士が担当します。

この仕組みそのものに問題はありません。ただ、0円になっているのは設立時の一部の報酬で、税理士費用全体ではない、という点は押さえておいてください。見るべきところは四つです。

設立手数料0円の案内で確かめる四つの項目を並べたチェックリスト

たとえば設立時の報酬が0円でも、顧問契約に最低期間が付いていれば、その期間の顧問料と決算料を合わせた額が実質的な税理士費用になります。一回きりの金額と、続いていく金額を同じ物差しで比べないことが大切です。

「0円」の表示には条件が並んでいるはずです

景品表示法の考え方では、「無料」を打ち出すなら条件も分かるように示すのが基本です。条件が見当たらない場合は、依頼する前に遠慮なく問い合わせてください。答えがはっきりしているかどうかも、依頼先を考える材料になります。

出典会社設立費用が0円で依頼できる税理士の注意点(税理士コンシェルジュ) 0円モデルの構造を説明する補助として使う。個別事務所の推奨には使わない。

税理士の料金表を読む前に、任せたい範囲を決めておく

税理士に任せる範囲を決めることを表したイラスト
任せる範囲が決まると、料金表が読めるようになります。

税理士の料金表を開くと、基本料金のほかに記帳代行、年末調整、償却資産の申告など、項目がいくつも並んでいます。どれが自分に要るのかが分からないまま依頼すると、料金表は読めません。先に、自分がどこまで任せたいのかを決めておくと読みやすくなります。

  • 設立直後の届出だけ法人設立届出書、青色申告の承認申請書、給与支払事務所等の開設届出書など。設立後に出す届出は国税庁がまとめています(新設法人の届出書類)。
  • 決算と申告だけ日々の記帳は自分で会計ソフトに入れ、年1回の決算と申告を頼む形。顧問契約を結ばず、決算だけを受ける事務所もあります。
  • 記帳の確認と月々の相談まで自分で入力した帳簿を毎月見てもらい、疑問をその都度聞ける形。いわゆる顧問契約です。
  • 記帳そのものも任せる領収書や通帳の写しを渡して、入力から頼む形。記帳代行は別料金になっていることが多い項目です。

どの形を選ぶかで、税理士費用は大きく変わります。下に行くほど依頼する量が増え、専門家に払う報酬も上がっていくのが普通です。逆に言えば、自分でできる部分を増やせば費用は抑えられます。どこまでを自分でやるかは時間と得意不得意の問題で、正解は人によって違います。

会社設立の税理士費用を考える順番を五つの段階で示した流れ図

出典No.5100 新設法人の届出書類(国税庁)

まとめ|会社設立の税理士費用は、幅と出どころで読む

会社設立の税理士費用の見方をまとめたイラスト
幅と出どころを押さえれば、数字に振り回されにくくなります。

会社設立の税理士費用について、ここまでの話を短くまとめます。

  • 実費と報酬は別登録免許税などの実費は、税理士に頼んでも自分でやっても同じ額。動くのは報酬だけです。
  • 税理士に公的な統計はない解説ページの「相場」は前提がばらばらで、根拠を示しているものはわずかです。
  • 設立時と設立後は別の契約設立時の報酬は一度きり。顧問料と決算料は毎月・毎年続きます。
  • 登記は司法書士の報酬日司連の設例では平均107,887円(2024年3月実施、有効回答932件)。税理士は登記を担当できません。
  • 0円は一部の報酬顧問契約の月額と最低契約期間まで含めて、総額で見ます。
  • 範囲を決めてから見積もり届出だけか、決算までか、記帳までか。範囲がそろえば比べられます。

依頼先を決める前に、相手が登録された税理士かどうかは日本税理士会連合会の税理士情報検索サイトで確かめられます(税理士情報検索サイト)。特定の事務所を勧めるためではなく、どこに依頼する場合にも使える確認の手段です。

会社設立の税理士費用は、高いか安いかを一言で言えるものではありません。任せる範囲と、何年付き合うのかで変わってきます。この記事は2026年10月17日時点の確認にもとづいています。個別の見積もりが妥当かどうかを当サイトが判断することはしていません。制度や統計は更新されますので、実際に決めるときは各出典で最新の内容を確かめ、複数の専門家から範囲をそろえた見積もりを取ってご検討ください。

出典税理士情報検索サイト(日本税理士会連合会) 登録内容のほか懲戒処分の有無も確認できる。

数字の前に、何の費用なのかを決めてから

会社設立の税理士費用で迷う人の多くは、金額の大小で比べようとして行き詰まります。実費、設立時の報酬、設立後の顧問料、決算料、そして司法書士の報酬。どの財布から出るお金なのかを一度ばらしてしまえば、ばらばらに見えた数字にも筋が通ってきます。

税理士の報酬は各事務所が自由に決めていて、公的な相場は存在しません。ですから、どこかの「相場」に合わせるより、自分が任せたい範囲を先に言葉にして、その範囲で見積もりを取るほうが近道です。依頼するかどうか、どこまで依頼するかも、その範囲で考えれば決めやすくなります。

もちろん、税理士に頼まずに会社設立を進め、設立後の記帳も自分でこなすという選択も、法律上なんの問題もありません。迷ったら、気になっている事務所に「この範囲だといくらになりますか」と聞くところから始めてみてください。判断に迷う点は、税理士や司法書士などの専門家に直接ご相談ください。

この記事は、依頼先を考えるのに役に立ちましたか。

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