本文へ移動する
会社設立は税理士に頼むべき? 会社設立 税理士の全てのことメディア
会社設立 税理士 メリット

会社設立を税理士に頼むメリットは何か|税理士法から見た利点と、頼まなくてよい場合

公開 更新 約11分(6,516字) 会社設立は税理士に頼むべき?できること・費用・司法書士との違いの全てのことメディア 編集部 一次情報の確認日:2026年10月17日

会社設立を税理士に頼むメリットは何か|税理士法から見た利点と、頼まなくてよい場合

.ir09-h2{margin:2.6em 0 .9em;font-size:1.32em;line-height:1.5;font-weight:700;color:#2d181c;border-left:7px solid #8a2f3e;padding:.15em 0 .15em .85em;}
.ir09-h3{margin:2em 0 .7em;padding:0 0 .3em .6em;font-size:1.11em;line-height:1.56;font-weight:700;color:#ad5261;border-left:4px solid #b5842c;border-bottom:1px solid #ecd9dd}
.ir09-lead{margin:1.6em 0;padding:.9em 1.05em;background:#f8f0dc;border-radius:8px;font-size:.98em;line-height:1.9}
.ir09-note{margin:1.6em 0;padding:.85em 1em;border:1px solid #ecd9dd;border-left:5px solid #b5842c;background:#ffffff;border-radius:0 8px 8px 0}
.ir09-pts{list-style:none;margin:1.6em 0;padding:0;display:grid;gap:.6em}
.ir09-pts>li{margin:0;padding:.7em .9em;background:#ffffff;border:1px solid #ecd9dd;border-radius:8px}
.ir09-pts b{display:block;color:#8a2f3e;margin-bottom:.2em}

こんな迷いを抱えている方へ

  • 会社設立を前にして、税理士に頼むメリットが本当にあるのかを確かめたい方。「税理士を付けると安心」と言われても、何がどう楽になるのかがはっきりしないまま、依頼を決めかねている方に向けた記事です。
  • 反対に、「小さい会社だし、税理士はいらないのでは」と考えている方にも読んでいただけるように書きました。メリットだけを並べるのではなく、税理士にはできないことと、頼まなくても困らない場合まで同じ重さで扱っています。
  • 特定の事務所を勧めたり、順位を付けたりはしません。根拠にするのは、税理士法が税理士の仕事をどう定めているか、という一点です。
  • 会社設立で税理士に頼めること・頼めないことの全体を先に確かめたい方は、会社設立と税理士の全体像(トップ)からお読みください。

会社設立で税理士に頼むメリットは、法律が決めた三つの業務から出てくる

税理士に頼むメリットが三つの業務から生まれることを表したイラスト
税理士のメリットは、税務の三つの業務の中にあります。

「会社設立は税理士に依頼すると楽」という話をよく聞きます。ただ、その楽さがどこから来るのかを考えると、話はかなりはっきりします。税理士が業として引き受けられる仕事は、税理士法2条1項が税務代理・税務書類の作成・税務相談の三つと定めていて(税理士法)、メリットもこの範囲からしか生まれないからです。

会社設立の仕事を税理士・司法書士・行政書士・社労士のどれが担当できるかを示した表

税理士の列に印が付くのは上の三行だけです。言いかえると、会社設立で税理士に頼むメリットは「税の相談」「税の届出」「設立後の帳簿と申告」の三つにまとまります。この記事では、この三つを順番に見たうえで、税理士に頼んでも得られないもの、頼むことのデメリットへと進みます。

ここでいう「できる・できない」

報酬をもらって業として行えるかどうかの話です。会社設立の手続きを自分で行うことには、どの資格も要りません。本人がやる限り、すべて合法です。

出典税理士法(e-Gov法令検索(デジタル庁)) 2条1項が業務(1号税務代理・2号税務書類の作成・3号税務相談)、3条1項4号が公認会計士の資格、51条が弁護士の通知、52条が業務の制限、59条1項が罰則(2年以下の拘禁刑又は1…

設立前に税理士へ相談できる利点。あとから変えにくいことを先に決める

会社設立前に税理士へ相談する場面を表したイラスト
設立前に決めることのうち、税に関わるものを税理士と確認できます。

一つ目の利点は、会社をつくる前の段階で税の相談ができることです。会社設立の依頼というと登記ばかりが思い浮かびますが、税理士への依頼はむしろこの段階から意味を持ちます。税理士法2条1項3号の税務相談にあたります。会社設立では、登記の前に決めなければならないことがいくつかあり、その中に設立後の税の手続きに関わるものが混じっています。

  • 資本金の額
    登録免許税の額に関わるほか、設立後の税の取り扱いが資本金の額で分かれる場面があります。
  • 決算期(事業年度)
    最初の事業年度の長さと、決算・申告の時期がここで決まります。繁忙期と重ならないかも考えどころです。
  • 役員報酬の決め方
    法人税では、役員への給与の決め方と変え方に決まりがあります。設立直後の時期にも関わってきます。
  • 設立後に出す届出の段取り
    青色申告の承認申請のように、期限を過ぎると最初の事業年度に間に合わないものがあります。
  • どれも、登記が済んでから変えようとすると手続きが増えたり、その年度には間に合わなかったりします。設立前に一度だけでも税理士の意見を聞いておくと、あとで「最初に聞いておけばよかった」となりにくいのは確かです。

    相談だけを頼むこともできます

    設立前の税務相談は、顧問契約を結ばなくても単発で受けている税理士がいます。会社設立のすべてを依頼するか、相談だけにするかは選べます。どこまで頼むかで、得られるメリットと費用の両方が変わります。

    なお、具体的にどの数字が自分にとってよいのかは、事業の中身や見込みで変わります。ここで一般論として「この額がよい」と書くことはできません。個別の判断は、相談した税理士とすり合わせてください。

    出典No.9203 税理士制度について(国税庁) Shift_JIS 配信。

    税理士に頼むと、設立直後の税務の届出がまとめて片づく

    会社設立直後の税務の届出を表したイラスト
    期限のある税の届出を、まとめて任せられます。

    二つ目の利点は、会社が成立したあとの税務の届出を任せられることです。税理士法2条1項2号の税務書類の作成と、1号の税務代理にあたります。会社設立の直後には、税務署・都道府県・市区町村に出す届出がいくつも重なります(新設法人の届出書類)。

    会社設立の流れの中で税理士に頼める届出の段階を示した流れ図

    届出のひとつひとつは、様式も記載例も公開されていて、専門家に依頼せず自分で出すこともできます。それでも、登記が終わった直後は銀行口座の開設や取引先とのやり取りで手が回らない時期です。期限のある書類をまとめて引き受けてもらえることが、頼むと楽になる理由の一つです。

    税理士が出せるのは税の届出だけです

    同じ時期に必要になる健康保険・厚生年金保険の新規適用届や、労働保険の手続きは、社会保険労務士の分野です。税理士に会社設立を依頼しても、ここは別の専門家の担当になるか、自分で出すことになります。

    出典No.5100 新設法人の届出書類(国税庁)

    設立後の記帳と決算を税理士に任せられる利点

    設立後の記帳と決算を税理士に任せる場面を表したイラスト
    設立後に毎年続く仕事を任せられるのが、顧問の利点です。

    三つ目の利点は、時間で見るといちばん大きいものです。会社設立の手続きは一度で終わりますが、記帳・決算・法人税などの申告は毎年続きます。この部分を税理士に継続して依頼できることが、顧問契約の中身になります。

    税理士法 2条2項

    税理士は、前項に規定する業務(以下「税理士業務」という。)のほか、税理士の名称を用いて、他人の求めに応じ、税理士業務に付随して、財務書類の作成、会計帳簿の記帳の代行その他財務に関する事務を業として行うことができる。(略)

    出典:税理士法(e-Gov法令検索(デジタル庁))

    条文のとおり、記帳の代行は税理士業務に付随する仕事として位置づけられています。申告書を作る税理士が帳簿も見ているので、日々の記帳の段階から申告を見すえた処理ができる、というのが顧問を付ける利点の中身です。

    • 月々の相談先ができる取引の処理に迷ったとき、その都度聞ける相手がいる。設立したばかりの時期は迷う場面が多くなります。
    • 決算と申告を任せられる法人税・地方税・消費税の申告を、記帳を見てきた税理士がまとめて行います。
    • 税務調査の立ち会い税務代理として、税務署とのやり取りを代わりに受けてもらえます。
    • 数字を見る習慣がつく毎月の試算表を見ながら話すことで、会社のお金の流れをつかみやすくなります。

    ただし、これはどれも自分でやることもできる仕事です。会計ソフトを使って記帳し、決算と申告まで自分で行う経営者もいます。税理士に依頼する利点は、その時間と手間を別のことに回せる、という点にあります。

    出典税理士とは(日本税理士会連合会) 税務代理・税務書類の作成・税務相談の三業務と付随業務の範囲

    税理士に頼んでも任せられないこと。登記を税理士がやれば違法になる

    税理士に任せられない手続きを表したイラスト
    税理士に頼むメリットは税務の中に限られます。登記は司法書士です。

    メリットを考えるなら、税理士に頼んでも手に入らないものも並べておく必要があります。会社設立を税理士に依頼するときに、中でも大事なのが登記です。登記申請の代理と登記申請書類の作成は司法書士の業務で、司法書士でない者が業として行うことは禁じられています。

    税理士が登記を担当できない根拠となる司法書士法の条文を並べたカード

    検索で「税理士 会社 設立 違法」という言葉が出てくるのは、この点を気にする人が多いからだと思います。結論から言うと、税理士事務所に会社設立を依頼すること自体は違法ではありません。税理士事務所が窓口になり、登記は提携する司法書士が担当する、という分担であれば問題はないからです。問題になるのは、税理士が自分で登記申請書類を作って業として引き受けた場合です(司法書士法)。

  • 登記
    司法書士の分野。税理士事務所では提携先の司法書士が担当します。
  • 健康保険・厚生年金・労働保険の届出
    社会保険労務士の分野。会社は代表者ひとりでも健康保険・厚生年金の適用事業所になります。
  • 定款の作成
    司法書士・行政書士の分野。税理士の業務ではありません。
  • 許認可の申請
    行政書士の分野。建設業や飲食業などで必要になります。
  • 依頼前に一つだけ聞いておくこと

    「登記はどなたが担当されますか」。司法書士の名前や提携先の話がすぐに出てくれば、通常の分担です。資格の説明がないまま「全部うちで」とだけ返ってくる場合は、もう一歩たずねてみてください。

    出典司法書士法(e-Gov法令検索(デジタル庁)) 3条1項1号〜5号が業務、同条8項が他法律による制限、73条1項が非司法書士の禁止、78条1項が罰則(1年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金)。

    会社設立で税理士に頼むデメリットと、頼まなくてよい場合

    税理士に頼むデメリットと頼まない選択を表したイラスト
    頼む理由も、頼まない理由も、どちらも成り立ちます。

    メリットの裏側には、当然デメリットもあります。いちばん分かりやすいのは費用です。設立時の報酬に加えて、顧問契約を結べば毎月の顧問料と年1回の決算料が続きます。税理士の報酬には団体の公表する統計がなく、金額は事務所ごとに違うので、見積もりで確かめるしかありません。

    • 費用が続く設立時だけでなく、顧問料・決算料として毎年かかります。最低契約期間が付くこともあります。
    • 相性の問題がある連絡の方法や返事の早さ、説明の分かりやすさは、依頼する側との合う合わないがあります。
    • 任せきりになりやすい帳簿を見ないまま決算を迎えると、自分の会社のお金の動きがつかみにくくなります。
    • 範囲の外は別料金登記・社会保険・許認可は、それぞれ別の専門家への依頼と報酬になります。
    記帳と申告を自分でこなせるかどうかで、税理士に頼むかを分ける図

    「税理士を雇わない」という選択は、法律上なんの問題もありません。法人の決算と申告を自分で行うことはできますし、そのための会計ソフトや解説も揃っています(税理士を雇わない場合の解説)。頼むかどうかは、時間と手間をお金で買うかどうかの判断だと考えると整理しやすくなります。

    会社設立のときに税理士へ頼むかどうかは、メリットとデメリットを並べたうえで、設立後の一年をどう過ごしたいかで決めてかまいません。会社設立の手続きそのものは本人でも進められますし、税理士に頼む時期も設立前に限られるわけではありません。どの段階で頼むにしても、会社設立の登記が司法書士の業務である点は変わりません。

    出典会社を設立する時に税理士は必要?雇う場合と雇わない場合のメリットとデメリットについて解説(freee) 税理士を付けずに決算・申告を自分で行う選択肢があることの補助として使う。法解釈の出典には使わない。

    小さい会社・一人社長が税理士を頼むときに考えたいこと

    小さい会社が税理士に頼む範囲を考える場面を表したイラスト
    小さい会社ほど、範囲を選んで頼む考え方が合います。

    一人で会社を立ち上げる場合や、従業員を雇う予定のない小さい会社の場合、「税理士は大げさでは」と感じる方も多いと思います。小さい会社ほど、全部を依頼するか、まったく頼まないかの二択ではなく、範囲を選ぶという考え方が合っています。専門家の側も、決算だけ、相談だけといった依頼を受けているところがあります。

    小さい会社が税理士に頼む範囲を考えるためのチェックリスト

    代表者ひとりの会社でも、法人である以上は法人税の申告が毎年あります。役員報酬を払えば源泉徴収の手続きも出てきます。こうした毎年かならず来る手続きの量と、自分でこなせる時間を比べて、税理士に依頼する範囲を決めてください。

    税理士を探すときは、国税庁も税理士情報検索サイトを案内しています(税理士をお探しの方へ)。氏名や事務所の所在地から、登録されている税理士・税理士法人を検索できます。どの専門家に依頼する場合にも共通して使える確認の手段です。

    出典税理士をお探しの方へ(国税庁)

    まとめ|会社設立で税理士に頼むメリットは、任せたい仕事しだい

    会社設立で税理士に頼むメリットのまとめを表したイラスト
    任せたい仕事が税務と重なるほど、税理士に頼むメリットは大きくなります。

    会社設立で税理士に頼むメリットについて、ここまでの話を並べ直します。

    • 利点は三つ設立前の税務相談、設立直後の税務の届出、設立後の記帳・決算・申告。どれも税理士法2条1項・2項の範囲です。
    • 登記は頼めない登記は司法書士の業務です。税理士事務所に依頼しても、登記は提携する司法書士が担当します。
    • 社会保険も別健康保険・厚生年金・労働保険の届出は社会保険労務士の分野です。
    • デメリットは費用と相性顧問料と決算料が毎年続きます。連絡の取りやすさも人によって違います。
    • 頼まない選択も合法記帳と申告を自分でこなせるなら、頼まずに会社を回すこともできます。
    • 小さい会社は範囲を選ぶ全部かゼロかではなく、決算だけ、相談だけといった頼み方もあります。

    依頼を考えている相手が、専門家として登録された税理士かどうかは、日本税理士会連合会の税理士情報検索サイトで確かめられます(税理士情報検索サイト)。

    この記事は2026年10月17日時点で確認した条文と公的な情報にもとづいています。制度は改正されることがありますので、実際に判断されるときは各出典で最新の内容を確かめてください。自分の会社の場合にどこまで頼むのがよいかは、税理士や司法書士などの専門家に直接ご相談ください。

    出典税理士情報検索サイト(日本税理士会連合会) 登録内容のほか懲戒処分の有無も確認できる。

    メリットは、任せたい仕事と重なったときに生まれます

    税理士に頼むメリットは、税理士がどれだけ有能かではなく、自分が手放したい仕事と、税理士が法律上引き受けられる仕事がどれだけ重なるかで決まります。設立前の税の相談、設立直後の届出、毎年の記帳と決算。ここを誰かに任せたいなら、会社設立の時点から税理士と話しておく意味は大きいはずです。

    一方で、登記は税理士の仕事ではありませんし、社会保険の届出も別の専門家の分野です。税理士事務所が「まとめて」と案内する場合は、提携する司法書士や社会保険労務士が分担しています。誰が何を担当するのかだけは、依頼の前に聞いておいてください。

    そして、帳簿付けが苦にならず、取引も少ないうちは、税理士に頼まずに会社を回すのも十分に現実的な選択です。頼む・頼まないのどちらにも理由があります。迷うところは、気になる税理士に一度相談してから決めても遅くありません。

    この記事は、依頼先を考えるのに役に立ちましたか。

    この記事のあとに読むと、つながるもの

    会社設立で税理士に何を依頼するかは、ひとつの記事だけでは決めきれません。関係の深いテーマを並べています。

    他にもこのようなサイトで検索されていますので、ぜひ見てください

    掲載順は優劣を示すものではありません。関連しそうな順に並べているだけで、順位づけや推薦ではありません。各サイトの内容・料金・条件は提供者が随時変更します。ご覧になる時点の最新情報は、必ずそれぞれの公式ページでご確認ください。

    このテーマを動画や投稿でも探す

    当サイトの公式アカウントではありません。各サービスの検索結果に移動します。実在するアカウントを確認できたものだけを、確認できた時点で差し替えます。